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2006年12月 3日 (日)

新宮心筋炎事件 2

キーワード
ウィルス性心筋炎、急性心筋炎、劇症型心筋炎、心電図、心エコー、鑑定、新宮市立市民病院

某所に掲示されていた大阪高裁に提出されたとされる鑑定書のうち、主要な医真会八尾総合病院鑑定以外のものをいくつかを見直してみる。

高裁判決を決定づけた八尾総合病院鑑定。参考文献をいくつも付け、理論武装の補強は怠りない。それに反論する某大学教授による鑑定書は一個人の印象として書かれている。素人さんが見たら、大学教授の肩書きが勝つか、理論が勝つか、というところだが、鑑定書のできばえは、八尾総合病院のものの方が合理的なものとして目に映るだろう。

さらにそれに援護射撃となる鑑定書が複数出ている。

鑑定人のうち、3 人は、鑑別診断のための方策をとっていなかったこととともに、担当医の診療の量と密度を問題に上げている。

その内の 1 人は、カルテ記録があまりに乏しい、診療の質と熱意を問題視されてしかるべき、診療姿勢の質が低いとしている。診療初期に脱水と判断して行われる医療と、心筋炎を疑って行われる医療とは、行われる医療の量と質に大きな差がある。その最初の判断を問題にするだけでなく、それに続いて行われたことに対し、医師の質が悪いがごとく鉄槌を下している。

すなわち、風邪ひきであれ、脱水であれ、最大限の医療資源を費やすべきであり、そうすれば、心筋炎であったとしても診断ができ、救命できるだろう。そういう印象を人々にもたらすのに十分な力を持つ鑑定書だ。

合理的に見える鑑定書 1 編。被告医師の努力、熱意、いうなれば心とその医師による医療の質を問題としてそれを援護する複数の鑑定。これだけ目の前に並べられたら、たとえ教授でも、印象ごときは吹き飛んでしまうだろうことは、私にも理解できる。

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リンク

http://www.naxnet.or.jp/~takaoka1/saiban/ikensho1.htm
http://www.naxnet.or.jp/~takaoka1/saiban/ikensho2.htm
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http://www.naxnet.or.jp/~takaoka1/saiban/ikensho5.htm
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後出しじゃんけんで、すなわち、レトロスペクティブに見て、問題点を挙げて攻撃するのは、事態が進行している現場で後からの攻撃を想定して防御することよりも、簡単だろう。ましてや先の見えない、正解のない、多数の選択肢を何段階も選ぶ作業が現場の医療である。

レトロスペクティブな検討で現場を責めるのは簡単だが、その結果は、果たして未来の人類に福音をもたらすだろうか。

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レトロスペクティブな検討は、医師なら皆、自分一人で、診療科のチームで、診療科全体で、そして病理部門や他診療科と合同で、いつも、どの患者さんに対しても、行っている。論文に掲載されるような検討結果もあれば、明日は、次の患者さんではもうちょっとこうしようという身近な工夫まで、様々なレベルで行われ、医学医療は、医師個人の力量としても、医学医療全体としても、日々進歩している。

当然、反省がある。医療に 100% はない。

それを過失と責められるとしたら、少しでもリスクのあることは回避する、それはすなわち困難に立ち向かう努力はなされなくなる。反省して責められるなら、検討し反省し次に活かす努力もなされなくなる。そういう努力でこれまで医学医療は進歩して来たが、これからはそれが失われていく。

そこで前述した通り、未来の人類に福音をもたらすことはない、ということにつながる。

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道標主人 | 2006-12-03 19:57 | 医療、社会保障, 裁判、司法 | | コメント (0) | トラックバック (0) | Top

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