厚生官僚の胸の内
キーワード
厚生労働省、キャリア官僚、潜在意識、思想、政策、本音
某所に出回っている文書だが、当ブログの論説の方にコメントとして寄せられたので、こちら表の方へ転載させて頂く。
知人に厚生労働省のキャリア官僚がいる医師が、その官僚と対話を重ねて得た官僚の考え方、胸の内を文章化したものと伝わっている。その官僚にこの文書の内容について疑問として問いただしてみたところ、これはその通りと、何も否定しなかったとも伝わっている。
以下、コメント欄のままを転載。
----------
「「「1」」」
厚労省官僚(医系技官)の思考パターンについて、再構成します。
厚労省自体、一枚岩ではないが、大体いいんじゃないかとのことでした。
1 俺たちは、国を治す、上医である!
俺たちが、医者なのに安月給で、事務仕事をしているおかげだぞ、と言いたい
2 できれば、すべて俺たち行政で仕切りたい
小泉のやり方は気持ちよかった、好きだ、しかし俺たちの縄張りの規制緩和は困る
本当は、○リッ○スや外資に荒らされたくない、俺たちで仕切れる国民皆保険制度は守るぞ
3 だけど、保険財政が破綻しそう、財務省もうるさい、で、どうしたらよいか頭を悩ましているんだ
視野の狭い臨床医ども黙っていろ、考えがまとまらないじゃないか
とりあえず医者を増やさなければ、金がかかる検査、処置、投薬も増えんだろう
4 医者が足りないとか、僻地の首長たちがうるさいな、だから僻地に病院なんか要らないって
2次医療圏に基幹病院は一つで十分、他に置くならサテライト診療所、開業医がいるじゃないか、
家で介護しろよ、看取れよ、金がないんだから
5 産科、小児科、救急がつぶれるのは困る、俺らの家族のこともあるしな
産科、小児科、救急は、診療報酬上げてやる、子供は内科でも診ろよ
6 小泉と一緒に、国民の不満をそらすために、臨床医どもの高報酬を槍玉に挙げたが、
マスコミも良くやってくれている
7 専門医?俺たち行政で認めた資格しか認めねえぞ
猫も杓子も専門バカで困る、国民もまず「かかりつけ医」にかかれよな
8 そうだな、俺たちが認めているのは、精神保健指定医、母体保護法指定医・・、
精神保健指定医は、俺らが管理している資格だから診療報酬に差をつけてやった
日本内科学会?なんとか学会?日本医師会?すべてプライベートな社団でしょ
9 総合医なんていいね、ただ、総合医資格には、俺らのような公衆衛生の経験が必須ね、
ちゃんと医師法読めよ
10 「かかりつけ医」の開業の先生方には、是非是非、御協力いただかないと・・
11 しかし、医師会ってかわいそうね、俺ら行政にいくら恭順姿勢を見せても、報酬を減らしていくの既定路線なのにね
12 大学の医局も気にいらねー、俺ら医局なんかに入らなかったし関係ないけどな、
臨床医どもが医局で権威ぶっているのが気にいらねー、俺たち行政医師をバカにしているんだろ
13 新臨床研修制度は良い制度だ、研修医が大学医局に入らないって?ザマアミロ、だから俺たちのほうが上なんだよ
14 しかし、俺たちの嫌いな専門バカを少しはましにしようと考えた新研修制度も当たり過ぎたな、
次回の見直しでは、研修医は、出身大学の県内の基幹病院でしか研修できなくするか
15 今、都会に集まり過ぎた研修医をどうするか、
もう少し、マスコミを躍らせて、世論を動かして、
機が熟したら(3年以内に)、後期研修後2年間の僻地勤務義務化なんてどうよ
16 新研修制度は良かったが、全国自由なマッチング、やり過ぎだったかな、
こないだ、2ちゃんに、現職の勤務医による全国の病院のオークションどうかと書き込まれたときには、こりゃ、マズイと思ったぜ、臨床医どもの待遇、給料が上がってしまうじ ゃないか
17 やっぱ自由市場でなく、適当に法で強制しながら、安月給で、24時間コンビニ奴隷医やらせるんが、得策や
18 そうや、労働行政もやってる俺ら、まずは労基法がそーと変わるのにあわせて、
俺らより年収の高いやつらは労基法適用外、死ぬまで働け、聖職者だろ
19 善意の甘ちゃん勤務医たちは労組も作れんし、政治力もゼロ、今のうちに、国家国民のために、奴隷医制度を固めるでー
次官に噛みついた本田とか、うるさいな、黙って手術でもしてろって
「「「2」」」
「医療崩壊は国の失政。産科崩壊も、医療事故も全て国の失政」という方向に、マスコミを煽りましょう。
みのもんたさんが、今一番テレビに出て、国民受けが良いようです。(いろいろご意見もあるでしょうが、)
先日の自民党の国会議員に噛み付いていました。
(リハビリの日数制限で、自民党の世耕議員・首相広報補佐官に、弱いところから法改正が進んでいくと、)
出演者の主張・発言の制約がかからない番組で、弱者寄り(患者のみならず、医療提供者も)の司会者のもと、悪代官の官邸・官僚をたたく、勧善懲悪的番組(水戸黄門的?)を してくれるマスコミが良いかと思います。
10月14日のNHKの番組が受けがよかったので、民放は2匹目のどじょうを狙っています。
「「「3」」」
m3の皆様が、あちこちで言われていることをもとに、思いつくままにあげてみました。
1 ネット上で、臨床医が連帯する
2 頭として、武見太郎のようなカリスマを押し立てる
3 全国の病院の待遇、勤務実態に関する情報を共有する
4 医療経済学者、官僚との議論、話し合いの場をもつ
5 医療崩壊の情報を、国民に、真摯な態度で提供する
1は、ここ数ヶ月で、とくに10月以来急速に進んでいると思います。
2は、本田宏先生に期待いたします。
3は、m3上に、情報を集積するスレッドを立ち上げましょう。m3が、行政の圧力に屈しないことを信じて。
4は、ぜひ、本田先生に交渉をお願いしたい。本田先生の「医療制度研究会」がその機能をはたされるかな。
4、5には、お金がかかると思います。激務の本田先生には、私設秘書も持っていただきたい。
そこで提案します。
皆さん。本田先生に、「献金」する、というのはどうでしょうか。本田先生は、手弁当で動かれているのではないかと心配しています。事務仕事も膨大なものになっているのでは 。また、医療制度に関する情報収集も大変と思います。
ちなみに計算してみました。全国の10万人の勤務医が、年間、1人1000円出せば、年1億円の資金になります。
趣旨に賛同する勤務医が、仮に、20%としても、2000万円の資金になります。
本田先生が、国民に正しい情報を伝えるための軍資金になるのではないでしょうか。
私たちは、本田先生を信じて、使い道はお任せします。夢を購いたいのです。
----------
参考資料
厚生労働官僚の天下り資料 http://sword.txt-nifty.com/library/2007/05/post_387b.html
道標主人 | 2006-11-02 21:06 | 医療、社会保障, 経済・政治・国際 | 固定リンク | コメント (12) | トラックバック (2) | Top
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コメント
うちも来てました。
一種の檄文として解釈したらよいのでしょうか。
内容自体については状況証拠的には正しそうですが、
やや皮相的な感触を持っています。
組織論としてはカリスマを立てて結集する方式は悪くないと思うのですが、
肝心の本田宏先生を存じ上げません。
道標主人様はご存知ですか、
ググってみましたが実像らしきものを把握するに至りませんでした。
それとこれは懸念ですが、
故武見太郎会長も日医を掌握した上での政治力です。
医者の結束力の悪さは札付きですから、
仮に本田先生の下にある程度結集したとしても、
その団結力がどれほど続くか心配します。
少々批判的でしたが、
それでもこれまであった勤務医労組結成論の中ではまだ具体的な方ですから、
流れが出来るかどうかを見守りたいと思います。
投稿 Yosyan | 2006/11/03 8:52:10
Yosyan 先生
こんにちは、または、こんばんは
> 内容自体については状況証拠的には正しそうですが .....
そうですね。厚生労働省の考え方を簡単にまとめたらこんな感じでよろしいかと思います。
以下、長文ご容赦ください。
-----
官僚一人一人に少しずつ考え方の違いがあり、また時の政府の政策に大きく左右されますから、例えば医療課長が変わるたびに健保改定での厚労省の態度は違ったりしますね。ですが大きな流れの方向として、こんな感じなのでしょう。
ただしこういう文書は、外へ出す時の書き方を誤らないようにしなければならないでしょう。今回のものの書き方は、やや危うい感じがします。私はこれが限界セーフと思って、表に転載しました。医療を攻撃したい人にえさをやるようなことにならない注意が必要です。
-----
医師が国を医す上医たりうるためには、やはり世論の後押しと政治力、この二つが必要です。そしてそのいずれにも集団としての団結という要素が必要であると思います。内部では様々な議論や軋轢があって当然ですが、外に向かっては、一枚岩であるべきでしょう。
人心を得るためには、プロフェッション、すなわち、能力、知識、人格、品性、態度や外見などの資質とともに、集団として人々に好意的に見られる必要があります。医師の集団は世のため人のために働いてくれているという医師全体の外面が大事です。
そのためには、一つの要素として自浄作用も必要です。自浄作用を持つための必要条件のひとつが組織率です。すなわち、世論の支持を得るためには医師は団結していなければなりません。てんでバラバラ、好き勝手、玉石混淆、営利に走る者から奴隷的奉仕者まで、外見が様々ですと、支持も得られませんし、攻撃を受ける要素がそれだけ大きくなりますでしょう。
政治力、これはイコール集票能力です。金だけではダメです。集票能力とは、選挙のたびに、選挙区ごとに一致団結した行動で、意のままに候補者を当選させる能力です。かつての武見太郎元会長時代の日医はこれができました。自民党と社会党の候補を複数当選させることができました。今では参議院議員 2 名だけで、それも医師会以外の集票力が圧倒的です。衆議院議員を選挙区から当選させることができなくては、政治力はないも同然です。自見庄三郎元郵政大臣を筆頭に桧田仁先生など、医師が医師会をバックにして衆議院選挙区で当選する事は、これからはもうないのかもしれません。
今の時代に武見時代と同じことができるわけはありませんので、集票力は、裏返して考えてもよいかと思います。世論の支持をバックにした日医がダメ出しした候補は落ちる、などの戦術の方向転換が必要なのかもしれません。これにもまた、医師集団の団結と、世論の支持を得られる一枚岩の外観が必要だと思います。
政治力と世論の支持は、相補的であり、表裏一体でもある様です。
-----
> 本田宏先生
私もお名前といろいろな論述を拝見するだけで、実際にどういう方かは存じ上げません。医療の問題に関心を持つ医師の間では、勤務医、開業医を通じて、尊敬や信頼を集めている先生方のお一人の様です。開業医や医師会に対するご意見が、これは無理もないことですが、実体験の裏付けがない分、ネガティブな方向に振れていらっしゃるようにお見受けします。
-----
> カリスマを立てて結集する方式 .....
医師の団結の素地として、カリスマを挙げていますが、私もカリスマは必要だと思います。そしてカリスマは、時代の要請とともに現れます。神輿を担ぐだけではカリスマになりません。武見太郎元会長は、その人物、家系、時代、様々な要素の結晶だったのだと思います。
時代というバックグラウンドに、カリスマ性のある人物がそこにいないとカリスマになり得ません。本田宏先生は、多分、カリスマにはなれないのではないかと思います。
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医師集団にカリスマを誕生させる方法を、日医会長にカリスマを据える場合を例として、少し考察します。
カリスマは、その候補を複数用意して、いつ時代の流れがこっちに来ても、一人のカリスマを誕生させることができるような準備は必要だと思います。
自民党有力政治家に近い家系で、人望があって、優秀で、しかも若くて見た目がよい。そういう人材を複数、エリート教育を施して、医学も医療も医政にも通じた人材に育てておく。日医執行部の幹部候補生学校みたいなものになるかもしれませんが、そうやってカリスマは用意されるのです。
たいした財力のバックがない、自民党内で非主流派だった小泉純一郎氏が総裁になれたのも、福田派の書生のころからずっと福田元総理の傍で党内のポジションを上げていっていたからでしょう。もし小泉氏が参議院議員で政務次官しか経験していなかったようなレベル ( 今の武見敬三氏がそのレベル ) でしたら、総理大臣になることはなかったでしょう。加藤紘一、山崎拓他の各氏らとともに、あらかじめ準備されていた中の一人だったわけです。自民党が党として準備したのではなくても、自民党内の各派閥の中での将来のエリート候補だったわけです。それが丁度、自民党が苦境に立たされた時の総裁選で「改革」と叫んだものですから、議員票はあまり取れなくても党員票を取って総裁選に勝ったのです。自民党員以外の国民も小泉首相に熱狂しました。時代が小泉を欲した、ともいえます。
( 私は、このときの小泉総裁誕生の自民党総裁線の開票速報をテレビで見ていましたが、嫌な時代になるかもとあまり歓迎できる気持ちではありませんでした。その予感が当たってしまった様です。カリスマが現れるなら、それは日本という国がデフォルトになるときに必要だと思いました。)
日医が、会内の勢力争いで会長以下幹部が入れ替わり ( キャビネット制 )、その副会長、理事も昨日までどこで何をやっていたのか、というような方が多いと、とてもカリスマ会長が誕生する素地はありません。
川島神戸市医師会長は、前植松会長時代からの日医理事を続けて務めておられ、神戸市は医師会が行政側に押し込んでいるパワーがある、ひょっとしたら数少ないケースではないかと思います。こういうレベルの人材を、もっと下の世代のうちから、複数用意しておくべきだと思うのです。
あるいは、それに匹敵する人材をピックアップする道筋も用意しておくのも必要でしょう。例えば脳神経外科のゴッドハンド、福島孝徳先生のような超有名外科医が日医会長選に出るような道筋を作っておけば、日医の求心力を高める手段になります。
( ちょっとオーバーに書きましたが、それは、私の頭の中では、会長直接選挙にも通じる考え方です。)
時代の要請とは、医師集団の場合では、日本中のほとんどの医師が、迫害のような目にあって、初めてその「時代」が訪れるのではないかと思います。今はまだです。救急、小児、産科、麻酔科は現在、外科勤務医はそろそろ、内科勤務医はもうすぐそこに控えていて、というところに時代はさしかかっていますでしょう。開業医も新規開業の弱小零細開業医の多くは、私もそうですが、「時代」が近づいて来ている事を感じているでしょう。ですが、「時代」はまだです。「時代」を呼び込むには、医師へのバッシングはもっともっと必要です。日本人が、医療の有難みに気付く時、そのときが「時代」の始まりです。その時に私は医師でいられるかどうか、はなはだ不安ではあります。
-----
> 団結力がどれほど続くか .....
これはカリスマが誕生した後の、日医の制度設計の問題でもあります。カリスマは戦時には必要ですが、平時には不要です。カリスマは時代の要請が無くなったときに、すぐに潔く引退し、後に続く制度を残さなければなりません。武見元会長は、これをしなかったのだと思います。
( 日医の会内の諸制度だけでなく、日本の医療制度、公的医療保険制度についても、当時の田中角栄自民党幹事長から白紙委任されたのに、その具体的なプランを示すことはありませんでした。本当に、武見元会長の目の前に、田中角栄氏が白い紙を差し出したと伝わっています。武見元会長がその紙に何を書いたかは、またそのうち紹介できると思います。)
一つの例を考えますと、事務系八士業のような強制加入に匹敵するような制度と、これと対になった除名を含めた処分の権限という制度です。強制加入制度は、おそらくは、高度に政治的な判断が下されない限り、実現しないでしょう。強制加入制度でなくても、日医に入らなければと医師に思わせ、国民も、日医会員でなければ医師にあらずと思えるような会にする、という事です。生涯教育と専門医制度がこれにつながる動きだと思っています。
( 医師免許更新制は、医師の生殺与奪を国家権力に委ねてしまう、最も避けるべき政策です。プロフェッションの倫理という観点からも、国家権力による直接的なプロフェッションの管理は避けるべきです。)
日医の生涯教育、専門医更新の認定をきつくして、免許更新制なんか要らない、さぼっている医師は日医除名、くらいの制度が必要かも知れません。その手段として、例えば IT を駆使するのです。
-----
> これまであった勤務医労組結成論の中ではまだ具体的な方 .....
そうですね。勤務医の方々がもっと考え議論して頂く中で、勤務医が集団としてどうすればよいかの方向が見えてくると思います。
私は、ただし、勤務医労組は実現しても医師集団にとってはマイナスになるのではないかと危惧します。日医をプロフェッションのギルドとして完成された形にしていく方が、プロフェッションたる医師にとってはよいように思います。それは上述した制度設計の事でもあります。
勤務医労組は、勤務医の地位待遇の向上のために、一時的にせよ、必要なのかも知れません。
また勤務医の方々は開業医の心が、多分、お分かりになりません。開業医は、勤務医の心を推し量ることができます。勤務医労組は、雇用側の医師と対決するわけですし、おそらくは医師会と対峙する構造をとると思います。医師集団は、今まで以上に弱体化するのではと思います。ですが、上に申しました「時代」を呼び寄せるために、日医はもっと低迷するのもよいかも知れません。日本人全体も医療が遠ざけられる不幸を味わってしまうのが、難点ですが。
..... だんだんとスクラップアンドビルドの誘惑に駆られるようになってきました。よくないですね。この方向は、私の家族三世代と兄弟が離散破滅する道でもあり得るのです (;_;)
投稿 道標主人 | 2006/11/03 21:57:52
日医のギルドへの移行(日本弁護士会化)には私も賛成します。道標様のエントリ「心ある人6」の米本様という方の説にも通じる点があるかと思いますが、将来的にはそれが最も望ましいと私も思います。
しかし、まず、日医の直接選挙化はどうしても必要不可欠なものと考えます。かなり前にも私が書かせていただいた気がしますが、組織の性質を大きく決めるのは選挙だと思います。今、
ちなみに、私の同級生も一人医系技官になった人がいます。臨床研修をしていたのですが、もっとも臨床医としての資質に欠ける人でした。ただ、技官の方の立場になってみれば、医療技術も手にはなく、報酬も高くもなく、研究であげた業績もなく、という訳ですから、コンプレックスの塊になるのは自然だと思います。同期とは上記のあらゆる面でかなうわけがありません。上医であると思い込まざるを得ないのだとおもいます。私ならなりたくない立場です。
投稿 元内科医 | 2006/11/04 2:15:21
元内科医先生
こんにちは、または、こんばんは
> 直接選挙
私もこの考え方に賛成です。直接選挙は、政治、日医の場合は会運営とか会務ですが、政治が劇場化する、衆愚化する、選挙のたびに会の性格が大きく変わってしまうなどの弊害が言われます。しかし、これはスピーディーな会の進化にもつながります。
代議員制ですと、大きく変わらないまま、ゆったりと時間が過ぎて、思考が旧態然のまま。よく言えば安定ですが、時代の変化から今の日医は取り残されていると思います。国民からの支持は既に失われ、医師全体からの支持も失いつつあるのに、会の性格、方向を変えることができません。
植松会長のときに、ちょっと変わったところとしては、相手が小泉首相だったためもありますが、政権にちょっと噛み付いてみた、日医総研を軽んじた、これくらいしか思いつきません。
会長直接選挙は、会の性格を大きく変え、医師全体からの求心力を増す、特に勤務医の日医への関心を高めることにつながります。それは組織率を上げることになるでしょう。組織率アップは、前述した通り、政治力を増し、自浄作用を持つギルドとなり、世論の支持を得る、これら全てにプラスに働くと思います。
閉塞した日医を開放するとでもいいましょうか、そのための特効薬か劇薬かになると思います。
そのためには、現在の代議員会でその現在の代議員制を否定しなければなりませんので、直接選挙は夢物語です ( 会長直接選挙となりましても、代議員会、理事会は存在します。 )
しかし、ちょっとだけ夢の実現のためのシミュレーションをします。
1.
県医師会単位で、地方医師会で、会長直接選挙を取り入れるところが増え、医師会長は開業医、勤務医を問わず直接選挙で選ぶ、という空気を醸成していけば、いずれは日医代議員にもその考え方が当たり前のものとなるでしょう。現在でも、鹿児島県でしたか、県医師会長選挙が直接選挙と聞いています。
2.
カリスマが登場して一気に日医が変わる。この棚からぼたもちのような事も、ひょっとしたら、起きるかも知れません。実例を挙げますと、米国財界は、小泉総理誕生という棚からぼたもちを手にしました。そういう時代が来ればですが、そのときは、日本の医療は焦土と化しているでしょうし、私の家族は離散ですね。
投稿 道標主人 | 2006/11/04 20:46:49
私が、直接選挙にする以外に日医にこうなってほしいという理想はあります。
①日医が強制加入であること。
②専門医制度を厳しくしてそれがないとまともな報酬が受け取れないことにすること。各学会の専門医制度と日医をリンクさせること。
③日医の組織に、医療訴訟に対する専門の部署を充実させ、自分の組織でまともな鑑定書を出せるようにし、訴訟時のアドバイスも行えるよう人材をそろえること。
④勤務医の労働条件を適正にするために運動をすること。そのためには与党にも野党にも国会議員を送り込めるようにしないといけないと思います。
⑤資金を豊富にして、また無駄な出費を省くこと。今は会員向けの無駄な出版物が多すぎやしないかと思います。私の安くない会費がこんなもんに化けたのかと思うと悲しくなります。
あと、勤務医との関係についてですが、私は勤務医の待遇改善に尽力しないわけにはいかないと思います。開業医の方はかつては今の勤務医を同等かそれ以上に勤務医として働いていた方が殆どだとは思いますが、今現在訴訟のもとになるような、医療的にも訴訟的にもハイリスクな患者を受けいれて、リスクを負わされているのは勤務医なので、現時点でのリスク緩衝材になっている集団に手厚くしないと勤務医は霧散しひいては開業医も困ることになると思います。
中~大規模病院の院長など上層部の医師と対立することになるかもしれません。出し渋る保険会社にそそのかされて、訴訟の責任を病院ではなく個人に負わせようとする傾向も今後加速するかもしれず、対立が激化する可能性の方が高いかもしれません。またそもそも個人事業主としての苦労を抱える開業医と勤務医が心を合わせて協力することは難しいかもしれません。
ただ、私は上記にあげた③が重要な要になると思います。司法は弁論主義を唱え、裁判官は私知を排除した公正な判断を求められていることになっているので、裁判官の判断が医学的に適切かどうかなどの責任をとることなど全く考えていません。個々の訴訟での対応が全てであり、よい鑑定とよい弁護をして裁判官を納得させられなかったあなたの責任でありそれ以上でもそれ以下でもないと考えられるようです。開業医も勤務医も、故なき医療訴訟の被告となることは共通の悩みの種であると思います。また、医学的には過失でなくても、弁護士の対応が悪かったり裁判官の心証が悪いことから過失と認定されることは等しく恐怖であると考えます。そこは共通点だと思いますので、保険など金銭的なメリットも共有して、また法的に援護する人材をそろえるメリットも共有し、訴訟時にまともな鑑定をすることとあわせれば、大きな共有財産になると思います。そのためにはダブルライセンスの医者+弁護士を養成した方がいいのかもしれません。
ただ、今の日医でエリートを数人引き止めて育てていくにはあまりにも組織としての魅力に欠けていると思います。医師免許を持つエリートは、(従来の医学部以外の)大学の研究室や理研などの研究所で研究に没頭するか、留学するか、あるいは行政で働くかすると思います。今は分散が加速はしているものの日医という選択肢はないと思います。なかなか非常に難しいです。
投稿 元内科医 | 2006/11/06 10:34:16
元内科医先生
こんにちは
法務、法的な防御は、組織にとって必要ですね。訴訟を受けて立つ時だけでなく、社会に対して様々な働きかけをしていくときに、法のバックグラウンドが必要でしょう。
それと並んで、情報、経済など様々な分野の戦略を考えるスタッフが、必要です。
これらを外部の人材を頼み、同時に内部からも人材を発掘するのです。現在日医会員である医師の中に、財務に詳しい人、経済に詳しい人、情報に詳しい人、法律に詳しい人、などなど、少なからずいるはずです。プロにかなわなくても、外部から頼んだプロとともに研究勉強し、次の人材を育てるのです。
日医政経塾、とでも言うような機関を作るのは、どんなものでしょうかね。
投稿 道標主人 | 2006/11/07 12:00:59
途中で送信してしまいました。
-----
勤務医の労働待遇への取り組みは、おっしゃる通り、重要です。
財政の問題がありますが、それ以外の観点から、一例を申してみます。
労働基準法をいつでも持ち出すぞ、という武器の研究をしておくのです。政財官界に対して、どのタイミングでどういう手順でどれだけのことを言いだすか、シミュレーションし、研究し、時にはアドバルーンを上げ、戦略を作っておくのです。
坪井元会長は病院の開設者でしたから、こういう視点はなかったでしょう。
おっしゃるように、勤務医対策は私的病院開設者である日医会員の内部分裂を引き起こす恐れがあります。しかし日医がやらなければなりません。
投稿 道標主人 | 2006/11/07 12:07:42
トラックバックをお送りくださった元勤務医先生、ご覧下さりましてありがとうございます。
ブログで愚痴るだけ、おっしゃる通りですが、これでもほんの 5 年前にはなかったスピードで情報が伝わり、意思が形成される世界を作り出しています。
現実社会での活動が第一ですが、バーチャルな世界を含め、情報が飛び交う世界では、思っていた以上のことが起きつつある様です。それは新しい世論を形作るパワーに発展するかも知れません。
http://sword.txt-nifty.com/guideboard/2006/11/_17__b179.html
ここから始まりますシリーズで、ブログが連携する世界のパワーを垣間見ています。幾ばくかの少数の人々においてかも知れませんが、ネット社会での情報が浸透していく様を見せてくれます。
バーチャル世界でのパワーも、これからは必要になっていくでしょう。
http://sword.txt-nifty.com/guideboard/2006/11/_2_154e.html
-----
私は、わずかながらですが、実社会で政治の裾野のとこでの活動もしています。特定の政党、政治結社には関与しない活動ですが。
投稿 道標主人 | 2006/11/08 21:12:15
コメントありがとうございました。日医の内部抗争については無知で(医事新報とかは見れば書いてありますか・・・)、ただ、ここぞという時に主流派という方々が選んできた選択を否定はできません。既存の組織の改良もいい手ですが、時間がかかるだろうなと思いました。無論、医療崩壊を防ぐためには力をあわせてがんばって行きたいのですが、医師の要望に応えてくれる組織となってくれなければ、やはり医師は支持しないと思いました。
投稿 Skyteam | 2006/11/09 1:12:16
Skyteam 先生
お出まし下さいまして、有り難うございます。
日医は動かない、役に立っているのか、と思いますが、日医に変わる、医師を代表して政府と話ができる集団というのもなかなか難しいです。
私は今の日医をあまり支持していませんが、組織から逃げていては、ダメではないかとも考えます。以下などもご参考にいかがでしょうか。
http://hcoa.jp/health_profession/index.php?抗議と退出
投稿 道標主人 | 2006/11/09 18:53:37
私はベーチェット病の患者です。一患者のつぶやきと思ってお聞きいただければ幸いです。
記事やコメントを読んで、本ブログ管理人様は、医療以外の社会の各組織と連携していこう、という気概をお持ちであると分かり、感激しています。法や経営、人的組織論について、企業や行政にはそれなりの経験とノウハウがありますので、使えるものがあれば、是非使っていただければ、と考えます。
ただ、「情報」について、医療関係者の方はどのようにお考えなのかは気になるところです。
現在、企業では、15年に及ぶ経済停滞と株式市場のプレッシャー(日本企業の二分の一の株主は外国人ですので、外資のプレッシャーでもあります)を受けて、情報公開を原則とする流れになっています。私は金融業界で働いています。以前は護送船団方式の最たるものでしたが、最近は随分様相が変わってきました。また、行政もそれを受けて、例えば、今までは口頭で良かった行政指導を文書化する、などしています。自分にとって悪い情報も良い情報も即座に公開して、事後検証ができる体制作りが進んでいます。
同時に、どこかで滞ると情報公開になりませんから、トップから末端まで、組織自体が変化しています。社会に対しての働きかける時には、こういった「情報公開と組織の変化」も重要なのではないか、と考えるのですが...
投稿 jungle | 2006/11/10 22:56:30
jungle 様
こんにちは
アドバイスくださいまして、有り難うございます。
> 「情報公開と組織の変化」も重要なのではないか
おっしゃって頂く通りですね。
----------
いずれ触れることもあるかと思っていましたが、私たち医師の集団は、ポランティアの集まりとして成り立っていたり、年寄りの仲良し集団として成り立っていたりする要素が強いのです。
企業のように、指揮命令に従わなければならなかったり、個人の能力努力で報いがあるのと違い、また官公庁のように、最悪何もしなくても組織が成り立つのでもないのです。
人がいやがってしない仕事を誰かが手弁当で引き受けなければならない事がほとんどです。またその反対に、年寄りかが集まっているだけ、何も産まず、何も変わらず、十年一日のごとき日々、という状態のところもあります。しかも、嫌なら参加しなくても何も困りません。
そういう組織を変えていくのに、構成員一人一人の意識を、自発的に、変わるようにするのは、至難です。できないメンバーにペナルティを科す事は何も効果がありません。嫌なら辞めればよいだけです。うまくできたからご褒美と言っても、実利は何も得られない、そういう集団なのです。
ですから、そういう集団が変わるための劇薬が必要かと思う医師が多いのです。それが医療が焦土と化し、多くの医師の生活が困窮するまでになったときに、カリスマが現れる ..... なのです。
投稿 道標主人 | 2006/11/12 13:41:58