岡山 IVH 事件
キーワード
岡山市、大腸がん、末期、カテーテル、感染、死亡、医療ミス、合併症
裁判、報道、両方を少し検討する。
本件の患者さんの死は、癌末期に起こる様々な合併症とともに訪れたのではないだろうか。癌末期では、易感染性、低栄養などの身体の基礎的状態の上に、感染、臓器不全など様々な合併症が起こる。
本件でのカテーテルは、IVH 用の中心静脈カテーテルだと思われるが、大腸がんの末期で、経口栄養が十分でない場合、手術後の全身状態、体力の回復を図るために IVH が行われることはおかしなことではない。それの効果によって、この患者さんは、全身状態が改善し、在宅医療に持っていける期待があったのだろう。
ところがカテーテル感染が起きてしまった。癌末期の全身状態からは、無理もないことである。そこで報道の問題である。医療ミスなのだろうか。
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YOMIURI ONLINE 2006.11.24
「自宅で最期期待奪った」東京地裁
病院側ミス1320万賠償命令
共同通信 2006.11.24
最期の機会奪った損害大 約1300万円賠償命じる 死早めた医療ミス認定
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病理解剖の結果では、報道から分かるだけではあるが、カテーテル感染により敗血症となり、死に至ったとなっている。癌末期の様々な合併症の一つがカテーテル感染であり、敗血症であるのだと思うが。病理解剖で死因がカテーテル感染と明記するだろうか。
病理解剖 ( 剖検 ) 報告書や CPC ( clinical-pathological conference ) などで、私が知っているだけの少ない経験の中では、病理検査がこのような死因の特定の仕方をすることはなく、死に至った過程の一環として、カテーテル感染や敗血症があったとするのだと思うが。
裁判の争点が、自宅で最期の時を過ごせなかったことが損害であり、その損害の原因がカテーテル感染、というところにあったのだろうか。死は様々な形で訪れる。予想できないし、思った通りにならないのが自然現象であり、医療なのだが。
IVH での栄養がなければ、それこそ自宅に帰ることができる全身状態に持っていけなかったかもしれないが、報道からだけでは分からない。本件の患者さんは転院していることから、経過中に病院と患者さんの間でうまく行かなくなる事態が起こっていたのかもしれない。
それと、本件が東京地裁で提訴されている。医療集中部に藤山雅行裁判官がいるからなのだろう。
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以下、参考資料
岡山 IVH 事件資料 http://sword.txt-nifty.com/library/2006/11/_ivh__6589.html
道標主人 | 2006-11-30 23:41 | 医療、社会保障, 裁判、司法 | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0) | Top
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コメント
うちでも扱いましたが、
真相がほとんど不明の事件です。
個人的な感想ですが、
最近になっての医療訴訟がらみの記事で、
医療内容について触れる内容が極端に薄っぺらになっていると感じます。
とくに「医者叩き」に異常な情熱を燃やす例の新聞社が典型的です。
書いてあるのは原告側の主張に基づく感情論ばかりです。
どうも奈良事件でネット医師が猛烈に騒いだので、
それを教訓として
騒ぐ材料を与えない方針にしているように感じてなりません。
何と言っても医者叩き報道は
事実関係不明でも「医者が悪い」とさえ印象づけられれば、
目的はすべて果たしていると言えます。
目的への手段論としてはそれで良いかもしれませんが、
どうにも歪みすぎているように思えます。
次に来るのはマスコミ不信であるとの予測も
あながちデマとは言えないかもしれません。
投稿 Yosyan | 2006/12/01 13:22:27
Yosyan 先生
こんにちは
おっしゃる危惧があたっているのかも知れません。
マスコミは、医師叩きを報道したいのに、詳しい報道をすると叩かれるネタになってしまうということを考慮しているのかも知れませんね。
だったら、医師をよく取材し、しっかりと検証した正確緻密な報道をすればいいのに、と思います。
浅はかな医師たたきだけがしたいから、行き詰まるのでしょう。
ここで取り上げました 3 件の記事の内、2 つはミスとタイトルに書かれていますが、こういうものだけでも批判していくことが、地道ですが、必要なのでしょう。
投稿 道標主人 | 2006/12/01 15:48:43