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2006年11月26日 (日)

兵庫県の危機 3 / 県立加古川病院

キーワード
兵庫県立加古川病院、移転

10 年ほど前から、移転の話があった兵庫県立加古川病院

現在は JR 西日本、加古川駅の南に歩いて数分のところにある。老朽化し、兵庫県の県立病院の中では、兵庫県立塚口病院と並んで機能上の特色の乏しい病院である。

救命救急、高次救急ができる設備も人員もいない。周囲には、加古川市民病院ほか、公私の病院が複数あり、兵庫県立加古川病院は、ますます機能上の特色を打ち出しにくい状態であった。

元来、兵庫県の県立病院では、姫路循環器病センター淡路病院などの救急を除き、救急や緊急事態に対応しきれなかった。緊急で血管造影をした医師に始末書を書かせ、この医師は退職した。また、緊急手術をしている手術室の扉の外で組合を代表する職員が待機する。こういう背景の県立病院の中でも県立加古川病院は組合活動が盛んである。

このたび、県立加古川病院が新設移転することが決定された。建設事業費 107 億円、設計管理費 3 億円強だ。

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県立新加古川病院の整備概要について 2006.11.22
県立加古川病院は、施設の老朽化・狭隘化が進んでいることに加えて、糖尿病等の生活習慣病への対応や東播磨地域における救命救急センターの併設など、新たな医療ニーズに対応するため、より高度で専門的な医療を提供する病院として新築整備することとしていますが、このたび整備概要がまとまりました。

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現在、345 床。ウェブサイトは OCN の間借りだ。産婦人科、小児科、脳神経外科が休診中だ。当直は一人で全科当直だ。そして 2 次救急の輪番に加わっている。内科 7、外科 6、整形外科 7、皮膚科 3、泌尿器科 3、眼科 4、耳鼻咽喉科 2、放射線科 3、麻酔科 2 というスタッフだ。

移転後は、3 次救命救急センター、353 床になる。内科、精神科、神経内科、消化器科、循環器科、外科、整形外科、脳神経外科、心臓血管外科、皮膚科、泌尿器科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、麻酔科、放射線科の設置が予定され、産科と小児科の開設は予定されていない。

移転先は、現在よりずっと北の方に、加古川を遡った土地になる。市と名がつくが、田舎である。地図を見ると、すぐ近くの目と鼻の先には甲南病院加古川病院があり、近隣に幸生リハビリテーション病院、貞光病院という私立病院がある。

地図 png 14KB 525 × 525 pixels 地図中の加古川病院とは甲南病院加古川病院を指す。500m も離れていない。
完成予想図 png 74.6KB 480 × 332 pixels 立派な新病院が建つようだ。

高速道路からは遠く、国道 2 号線のバイパスからも 4 km ほど走らないと行けない。兵庫県の南北の幹線、国道 175 号線からも遠い。鉄道は、ローカルな全線単線ワンマン運転の JR 西日本加古川線だ。

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甲南病院加古川病院は、内科循環器科透析 9、外科 3、整形外科リハビリテーション科 7、放射線科 1 のスタッフで、一般 170 床、医療型療養病床 80 床。旧加古川第二陸軍病院、国立病院加古川療養所、国立加古川病院。国立病院の統廃合計画にのっとり、2000 年 12 月に財団法人甲南病院に移譲された。

貞光病院は、呼吸器科、胃腸科、循環器科、外科、整形外科、脳神経外科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科で一般 50 床。

幸生リハビリテーション病院は、内科、呼吸器科、胃腸科、皮膚科、リハビリテーション科、放射線科、歯科で、療養型併設 180 床。

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人口 26 万 7 千人の加古川市には、351 床の加古川市民病院がある。ここには、産婦人科、小児外科と NICU がある。

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兵庫県は、職員の特殊勤務手当を削減、廃止するという改革で、まず医師手当を廃止した。医師は技術吏員として、他の技術職と同じ扱いだ。しかし、事務、給食、技師の手当は残した。また他の県職員では、税務、食肉検査などの特殊勤務手当は月額制を日額制にして残した。医師だけの狙い撃ちに成功した。

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神戸新聞 2006.2.21
特勤手当20項目見直し 兵庫県 公務員厚遇問題
兵庫県は二十日、職員に支給している特殊勤務(特勤)手当のうち、二十項目を見直す、と発表した。「高額」との批判があった税務手当など七項目で月ごとの定額支給を廃止し、実態に見合った日額支給制度を導入。医師手当など三項目は廃止する。県は見直しによる効果額を年一億九千万円と試算。二月県会に条例改正案を提案し、四月の施行を目指す。

神戸新聞 2006.10.28
県立病院損失4年で4倍増 累積660億円 05年度兵庫県
兵庫県病院事業の二〇〇五年度の損失が約五十億円に上り、〇一年度に比べて四倍に増えていることが二十七日、分かった。累積欠損額は約六百六十億円に膨らんだ。一般会計からの繰り入れや内部留保の取り崩しで赤字転落は免れているが、〇六年度は診療報酬のマイナス改定などでさらに収益が悪化するとみられ、資金不足に陥る可能性もある。
県は十二の県立病院・医療センターを運営。〇五年度決算では、医業による診療報酬などの収益が約七百十一億円に対し、医師らの給与や材料費などの費用は約八百二十七億円。損失は約百十六億円で、〇一年度に比べ16%増加した。
勤務医不足で外来患者をさばききれずに患者が減るなどしており、経費増大なども影響しているという。

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兵庫県の県立病院のフラッグシップ、兵庫県立尼崎病院では、産科を無くした。

兵庫県の医療行政には、ある方向を目指して、一点の曇りもなさそうだ。

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以下、参考資料

兵庫県の危機 3 / 県立加古川病院資料 http://sword.txt-nifty.com/library/2006/11/_3__8279.html
兵庫県の危機 3 資料 http://sword.txt-nifty.com/library/2006/11/_3__ee42.html

兵庫県関連過去記事

逃散 / 兵庫県の危機 2 http://sword.txt-nifty.com/guideboard/2006/11/_2_bf7a.html
逃散 / 兵庫県の危機 2 資料 http://sword.txt-nifty.com/library/2006/11/_2__02fb.html

逃散 / 兵庫県の危機 http://sword.txt-nifty.com/guideboard/2006/10/__a64c.html
逃散 / 兵庫県の危機資料 http://sword.txt-nifty.com/library/2006/10/__a64c.html

逃散 / 兵庫 http://sword.txt-nifty.com/guideboard/2006/09/__1d9f.html"
逃散 / 兵庫資料 http://sword.txt-nifty.com/library/2006/09/__67dc.html

逃散 17 http://sword.txt-nifty.com/guideboard/2006/08/_17_3ba7.html
逃散 17-2 http://sword.txt-nifty.com/guideboard/2006/09/_172_4d48.html
逃散資料 17 http://sword.txt-nifty.com/library/2006/08/_162_ad47.html
逃散資料 17-2 http://sword.txt-nifty.com/library/2006/08/_172_cddc.html
逃散資料 17-3 http://sword.txt-nifty.com/library/2006/08/_173_f742.html
逃散資料 17-4 http://sword.txt-nifty.com/library/2006/08/_174_d071.html
逃散資料 17-5 http://sword.txt-nifty.com/library/2006/08/_175_a6fe.html

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以下、おまけ

加古川第一陸軍病院は、元来、加古川陸軍病院だったものが、神野兵舎に加古川第二陸軍病院ができたことに伴い、第一がつくようになったという。現在の明石医療センターである。

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社団法人明石市医師会立明石医療センター
http://www.amc1.jp/about/aisatsu.html
当院は、大正12年に加古川第一陸軍病院として開設され、昭和26年に国立明石病院と改称されたという長い歴史を持ち、地域の皆様に信頼されてきた病院でしたが、平成13年3月1日に明石市医師会に移譲され社団法人明石市医師会立明石医療センターとして生まれ変わりました。

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ひろかずのブログ
http://azaleapines.blog.ocn.ne.jp/hirokazu/
加古川第二陸軍病院
「加古川第二陸軍病院」は、歩兵第百六聯隊・神野兵舎(昭和16)と同時期に開業したのではないかと考えられる。
姫路や京都・大阪といった師団司令部の所在地の陸軍病院と比べると、規模は小さかった。
戦後、昭和20年11月から陸軍省から厚生省に施設・人員が移管され、「国立病院加古川療養所」となり、「国立加古川病院」をへて、現在「(私立)甲南加古川病院(写真)」(加古川市神野町西条)となっている。

加古川第一陸軍病院
昭和12年(1937)に加古川飛行場に付属する「加古川陸軍病院」として開設された。
診療は、内科・外科・眼科があり、歯科は姫路陸軍病院へ行かねばならなかった。
昭和16年に、神野兵舎付属の陸軍病院が開設されたので、名称を「加古川第一陸軍病院」と改めた。
「陸軍航空通信尾上教育隊」(9月4日のブルグ参照)の西隣にあった。

http://azaleapines.blog.ocn.ne.jp/hirokazu/2006/09/post_08bc.html
2006/09/27
富田 雅次(とみたまさじ)
彼は、戦後まもない頃、当時無医村であった野口村に、村立診療所を創設し、自ら院長として2年間勤めた。
その後、診療所は発展的に解消して加古川市民病院となった。

道標主人 | 2006-11-26 21:05 | 医療、社会保障, 経済・政治・国際 | | コメント (4) | トラックバック (0) | Top

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コメント

日岡移転の噂は本当だったのですね。
エントリーを読むと救急を始めるのが目玉のようですが、
拙ブログのコメントでは、
組合が強すぎて相当嫌がられている病院と聞いています。

私の故里でもこの話は広がってまして、
移転の後は北播の中核病院になって
ここに医療資源を集約するてな噂を親戚筋より聞いています。

ただこの計画を読むと
北播で瀕死の状態にある産科は無いようで、
小児科も無いのは集約化拠点として首を傾げます。
それと北播の集約拠点としては南に寄り過ぎているのも気にかかるところです。

箱物は決まれば粛々と作られるでしょうが、
果たして医者が集まるのかどうかから心配が山積の移転計画に思えます。

投稿 Yosyan | 2006/11/27 15:20:13

Yosyan 先生

こんばんは
いつもご教示くださいまして、有り難うございます。

おっしゃる通りだと思います。

新加古川病院は、何もかもが中途半端。唯一はっきりしているのは組合が強い、ということのように思えます。ストをする組合。そこで三次救急なんてできるのでしょうか。これからの数年間、高次救急に対応できる医師その他のスタッフを確保できるでしょうか。

投稿 道標主人 | 2006/11/28 0:02:05

道標主人様ならよくご存知かと思いますが、
来春の医療の動きは要注意かと思います。
去年も今頃から「来年は大変な事になる」との観測が飛び交いましたが、
来春は医師ネット人口の飛躍的増加があり、
衝撃はより強い可能性があります。

医療崩壊は本音で望んでいる医師は少ないと思いますが、
一般国民が気づくレベルの崩壊段階に至らないと、
結局何も変わりそうに無いのが辛いところです。
焼野原まで必要か、それ以前で食い止められるかが焦点になりそうです。

投稿 Yosyan | 2006/11/29 13:12:03

Yosyan 先生
こんばんは

> 焼野原まで必要か、それ以前で食い止められるか

日本全土が焦土と化すまでにはいたらなくても、地理、時間、診療分野の多次元の座標の中で、焦土があちこちに見られる事態となっています。

以下は、私の悲観的なものの見方です (;_;)

現状を第一段階として、第二段階はイギリス型崩壊、ここに踏み込みつつあります。そして北欧型路線を採らない限り、第三段階としてアメリカ型崩壊と進むと思います。

日本人が、アメリカ・アズ・ナンバーワンと思っているとそうなっていきますし、旧来の土建利権国家のままでもそうなっていくでしょう。

アメリカ型なら主として日米財界による医療破壊、土建利権国家型なら主として医療費亡国論に基づく医療破壊となるのです。

アメリカ型なら、国民も医療者も、勝ち組と負け組になり、一部分であっても浮上できる医療者集団が残ります。

医療費亡国論のままなら、医療界全体が沈んでしまいます。

北欧型なら、医療者は、お役所の窓口公務員と同じようなものになるでしょう。

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悲壮論はここまでにしまして、現実の予想としましては .....

そこまで焦土化する前に、安倍政権内では多少は医療関係の勢力が力を回復し、また日本の医師は我慢強くかつ、いい意味で鈍感な方が多いですから ( 私は過敏過ぎますね )、活かさず殺さず、絞られながら、緩やかにアメリカ型に近づくと思います。

投稿 道標主人 | 2006/11/30 0:36:59

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